(仮)11 久しぶりに文体を変更
14/01/15 12:18
私が両手に持った縄の束は、まるで数匹の蛇が幾重にも絡み合っているかの様に、異様で独特な雰囲気を放ちながら、私の歩調に合わせ不規則に揺れていた。
彼女はベッドの上で物憂げな表情を浮かべながら、気怠そうに四肢を投げ出し横たわっている。
彼女の側まで近付き、ある種、嫌悪感すら沸き上がってくるであろうその縄を、私は彼女の素肌に直接垂らしながら、注意深くその反応を窺った。
首筋から肩にかけて、まるで何枚もの舌で舐め回すかの様に執拗に縄を這わせる。
彼女は身体を震わせながら両拳をきつく結び、快楽の渦に飲み込まれまいと全身を強張らせていた。
私は追い打ちをかけるように肩から胸に縄を這わせ、そのまま身体中を蛇行させながら小刻みに震える彼女の裸体を存分に弄んだ。
しばらくすると彼女の奥底に潜んでいた淫蕩のうねりが、全身に波紋を広げながら、静かにそしてゆっくりと蠢き出し、彼女の意識を妖しくも危うい禁断の快楽の淵へと押し流そうとしていた。
もうすぐそこまで迫っているであろう我慢の限界を、縄先は敏感に、そしてはっきりと感じ取っていた。
何分経過した時の事だろうか……、彼女の理性は音を立てるようにあっさり崩れ去った。
完全にタガが外れてしまった彼女の精神と肉体は、止めどなく溢れ出す自身の淫らな強欲のうねりに飲み込まれ、二度と戻る事は出来ないであろう薄暗い淫靡な闇の底へと、全身を雁字搦めにされながら静かに沈んで行くのだった。
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